オランウータンはなぜ木の上で生活するようになったのか?
シンガポールの動物園でオランウータンを見る前は、可愛らしい仕草を期待していましたが、実際に見たときは、木の上を軽快に移動する姿にびっくりしてしまいました。
次から次へと木の枝やロープを掴んで移動する姿を見て、これなら木の上での生活も苦にならないと感じつつ、なぜオランウータンは木の上で生活するようになったのか?という疑問も出てきました。
今回は、オランウータンが木の上で生活するメリットとデメリットについて調べてみましたので、ご紹介します。
まずは、実際にシンガポールの動物園に行ったときに撮影した、木の上を移動するオランウータンの動画がありますので、こちらをご覧ください。
オランウータンが木の上で生活するメリット
オランウータンが木の上で生活することには、以下のようなメリットがあります。
まず、オランウータンは、木の上で生活することで食物や仲間を探したり、敵から逃れたりすることができます。
オランウータンは果実食が中心で、果実は主に高い木の上にあります。
木の上で生活することにより、樹上にある豊富な食物源を得やすくしたようです。
また、オランウータンは単独生活者ですが、時々他のオランウータンとの交流や繁殖活動をします。
これらの出会いも樹上で起こることが多く、オランウータンは樹上で社会的な関係を築くことができる動物です。
さらに、オランウータンは樹上で生活することで、地上にいる敵から身を守ることができます。
オランウータンの敵はトラやヒョウなどの肉食動物だけでなく、人間も含まれます。
天敵となる動物の多くは、木に登ることが苦手なため、オランウータンは高い木の上に逃げることで安全を確保できるようになります。
その他にも、木の上で生活することで、オランウータンは体力やバランス感覚を鍛えたり、遊び心を見せたりすることがあります。
遊びはオランウータンの楽しみやストレス解消につながるだけでなく、自信や好奇心も育むことにつながっているようです。
木の上で生活することで、オランウータンは自分たちの”文化”の継承や発展させているともかんがえられています。
母子関係や交尾関係、友好関係などを通じて、他のオランウータンとコミュニケーションをとり、学習します。
オランウータンが道具を使ったり、巣を作ったり、食物を加工したりすることができるのは、オランウータン同士のコミュニケーションを通して、親から子へと伝えられてきた賜物です。
オランウータンが木の上で生活するときのデメリット
木の上で生活することには、オランウータンにとって以下のようなデメリットがあります。
オランウータンは樹上で生活することに適応した動物ですが、それでも樹上での移動や生活には危険や困難が伴います。
オランウータンが樹上で移動するときに、枝やロープが切れることや、手を滑らせて落ちるなどのリスクです。
このような事故により、オランウータンが怪我や死亡してしまう可能性は常にあるでしょう。
また、オランウータンは樹上で生活することで、地上の食物や水源の確保が難しい場合があります。
例えば、乾季には樹上の果実が少なくなり、オランウータンは飢餓に苦しむことがあります。
また、水分を得るために地上に降りることもありますが、地上に降りれば天敵の肉食動物などに遭遇する危険もあります。
さらに、オランウータンは樹上で生活することで人間から離れて暮らすことができますが、それでも人間の活動によって生息地や生活環境が脅かされているという現状もあります。
オランウータンの生息する熱帯林は、違法伐採や農地開拓などによる急速な減少により、オランウータンの食物源や移動経路を破壊し、オランウータンの個体数や遺伝的多様性を低下さていると言われています。
他にも、森林火災や地球温暖化もオランウータンの生息地や生活環境は変化させている要因です。これらの現象はオランウータンの森を焼き尽くしたり乾燥させたりし、オランウータンの健康や生存に影響を与えます。
オランウータンが木の上で生活する理由
オランウータンには、木の上で生活することによる多くのメリットがありますが、同時に多くの問題も抱えています。
オランウータンは絶滅危惧種として保護されていますが、その保護には人間と自然の共存が必要です。
シンガポールでは、オランウータンが国立公園や動物園などに保護されており、人間からの脅威や干渉を最小限に抑えることができます。
シンガポールの動物園では、オランウータンに自然に近い環境や餌を提供していますので、シンガポールへの旅行の際には、動物園でオランウータンと接してみてはいかがでしょうか。
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